規制に準拠したデータ取引テクノロジー

データ関連の規制およびデータ取引の枠組みを遵守するために求められる、総合的な機能を提供します。

欧州のデータガバナンス法 (DGA) 、データ法 (DA) や AI 法などのデータ関連の規制は制約だと考えられることも多くありますが、安全で信頼できるデータ取引を容易にし、加速させる強力なツールでもあります。これらの EU 規制は信頼できる環境でデータを取引するための条件を定め、革新的な新しいデータ取引サービスを開発するための新しい可能性を組織にもたらします。

データ取引のコンプライアンスに関する課題

データに関する規制は、常に進化しています。欧州では2018年に EU 一般データ保護規則 (GDPR)、2023年9月には DGA が施行されました。2025年9月12日にはデータ法が施行され、2026年から2027年にかけて特定の条項が段階的に施行されます。その他にも、引き続き複数のデータ規制が策定および改正されています。。

これらの規制では、個人データ、BtoB データ、IoT データ、利他的データ、公共機関からのデータなどに関して、データ取引エコシステムのオーケストレーターと参加者に特定の責任が課されています。

このような規制は国によって異なるため、異なる国や地域間でのデータ製品取引は、さらに複雑になります。

Dawex データ取引テクノロジーは、世界中の現行のデータ保護規制を組織が遵守できるようにします。Dawex テクノロジーは常に進化しており、将来のデータ規制に対して事前に準備を整えることができます。

個人データ保護規制に対するコンプライアンス

データ取引プラットフォームにより、オーケストレーターと参加者は欧州 GDPR を確実に遵守することができます。データ取引プラットフォームには、日本の個人情報の保護に関する法律 (APPI)、韓国の個人情報保護法 (PIPA)、米国のカリフォルニア州消費者プライバシー法 (CCPA)、ブラジルの個人情報保護法 (LGPD) など、個人データ保護に関する欧州以外の規制に対応するための機能も用意されています。

Dawex データ取引プラットフォームソリューションは、個人情報を含むデータ製品を特定する枠組みとプロセスを提供。それに応じて適切なライセンスでデータ取引を行うことができます。また、Dawex データ取引ソリューションでは同意管理者に API アクセスを提供しています。これにより、データ提供者とデータ取得者は、データ対象者から同意が得られていることを、データ取得者にデータが取引される前に確認できます。

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欧州のデータガバナンス法およびデータ法の遵守

欧州は、データ規制の最前線にいます。また、データガバナンス法 (DGA) およびデータ法 (DA) により、そのリーダーシップはさらに補強されています。このようなイニシアチブは、 GDPR のように、世界の他の国・地域でも参考にされます。

  • 欧州データガバナンス法 (2023 年 9 月 24 日にすべての EU 加盟国で施行) は、データへのアクセスを容易にし、データ取引エコシステムの参加者間で信頼を築くことで、組織間のデータ取引を加速することを目指しています。
  • DGA では適用範囲があらゆる種類のデータに拡大され、非個人データや産業データにも適用されます。
  • DGA では「データ仲介サービスプロバイダー」という新しい役割を定義しています。法律面・ビジネス面から、データ取引活動を相反する可能性がある活動 (データ処理など) と厳密に分離することなど、データ仲介サービスプロバイダーの義務が定められています。
Dawex データ取引プラットフォームソリューションを使用すると、オーケストレーターは DGA の主な規定を遵守することができます。また、各国の監督機関から「EU 内認定データ仲介サービスプロバイダー」として認められることで、オーケストレーターは自社のデータ取引サービスの信頼性を大きく向上できます。

Dawex は新しいデータ規制の策定を注視しているだけでなく、策定自体にも貢献しています。Dawex のテクノロジーにより、データ提供者は、2025年9月12日より全面的に施行された欧州データ法に準拠することができます。コネクテッド製品メーカーは、強力なデータ配布とガバナンス機能を活用して、コネクテッド製品ユーザーの利用状況データ共有に関する義務を満たすことができます。

欧州 AI 法の遵守

2024年8月1日に発行した欧州 AI 法は、段階的に施行されます。禁止される AI 慣行およびAI リテラシーに関する義務は、2025年2月2日から適用が開始されました。汎用目的型 AI (GPAI) モデルに関するガバナンスルールと義務は、2025年8月2日に適用が開始され、2026年8月2日に完全適用になります。。

  • モデル開発者は質の高いデータをソーシングすることができ、トレーサビリティを確保して AI モデルの透明性を向上できます。
  • コンテンツ所有者は知的財産を適切に保護しながらデータを配布して、新しい収益を創出できます。

Gaia-X のトラストフレームワーク

Dawex は Gaia-X 設立当初からのメンバーであり、データ取引サービス仕様のワーキンググループをリードしています。Dawex データ取引テクノロジーは Gaia-X のトラストフレームワークをネイティブで実装しており、Gaia-X に対応したデータスペースと相互互換性があります。

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信頼性のある自由なデータ流通 (DFFT)

信頼性のある自由なデータ流通 (DFFT) のコンセプトは、2019 年の世界経済フォーラム年次総会 (ダボス会議) で、データの新しい世界的なカバナンスモデルとして初めて提唱されました。同じ年に、DFFT は G20 加盟国の支持を受け、大阪サミットで大阪宣言が発出されました。

DFFT では信頼性が中核に掲げられ、関連し共生可能な 2 つの政治目標を両立させることを目標にしています。

  • 国境を越えたデータの自由な流通を促進し、経済成長を実現する
  • 信頼できる規制により、プライバシー、国家安全、知的財産を守る

DFFT のために2023年に設立された Institutional Arrangement for Partnership (IAP) は活動を開始し、現在は OECD が主催しています。G7 データ保護およびプライバシー機関は、引き続き DFFT の運用化を進めており、2025年6月にカナダで開催されたラウンドテーブルでは、さまざまな転送ツールの特徴を特定し、将来の相互運用性の促進に取り組むことが再確認されています。

Dawex は世界経済フォーラムの DFFT ワークグループに積極的に参加し、ブリーフィングペーパー『国境を越えた自由かつ責任あるデータ流通が必要な理由と実現のための方法』を共同執筆し、2023 年 4 月の世界経済フォーラム デジタルトランスフォーメーションサミットで公開された白書『From Fragmentation to Coordination: The Case for an Institutional Mechanism for Cross-Border Data Flows (フラグメンテーションから連携へ: 国境を越えたデータ流通のための制度的メカニズム創設に向けて)』にも貢献しました。

Dawex はまた、日本の主要団体であるデータ社会推進協議会の DFFT ワークグループにも積極的に参加しています。このワークグループの成果として、DFFT 具体化を進めるための 12 の提言が発表されました。

信頼されるデータ取引に関する将来の欧州整合規格への準拠

データ取引に取り組むためには、信頼性が非常に重要です。2026年3月25日、CEN と CENELEC は、信頼されるデータ取引に関する欧州整合規格の最初の規格となる EN 18235-1:2026 を公式に公開しました。これは、指令 M/614 - EU 信頼されるデータフレームワークの一環として、欧州委員会からリクエストされたものです。

2023年、Dawex は Fraunhofer ISST および TNO と共に CEN ワークショップを共同提案し、Gaia-X、IDSA、BDVA、FIWARE、Microsoft、EDF、Airbus、Hub One を含む広範なエコシステムと連合しました。欧州員会は、ワークショップ全体を通じて、オブザーバーとして積極的に参加しました。ワークショップでは、既存のデファクトフレームワークを利用して組み合わせ、Gaia-X、IDSA、DSSC などのエコシステムが、各自の運用上の経験を信頼されるデータ取引の規範の基盤に落とし込んでいきました。

2025年7月1日、欧州委員会は「欧州信頼性の高いデータフレームワーク」の下で、信頼性の高いデータ取引についての欧州整合基準 (hEN) の標準化要求の最終稿を公開しました。信頼されるデータ取引に関する CWA Part 1 と Part 2 は、すでに公開され、公式に入手可能です。

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The ワークショップでは、2 つの自主的な事前基準が作成されました。

  • CWA 18125:2024 — 信頼されるデータ取引 — Part 1: ターミノロジー、コンセプトおよびメカニズム (2024年7月)

  • CWA 18245:2025 — 信頼されるデータ取引 — Part 2: 信頼性に関する要件 (2025年7月)

2 つの CWA は、M/614 (2025年7月1日に CEN/CENELEC が承認) に基づき、CEN/CLC JTC 25 WG2 内で、正式な欧州規格に組み込まれました。その結果である EN 18235「信頼されるデータ取引」シリーズは、3 つのパートで構成されています。

  • EN 18235-1:2026 — Part 1: ターミノロジー、コンセプトおよびメカニズム。公開済み (2026年2月23日に承認、2026年6月1日の M/614 の期限に先立ち、2026年3月25日より利用可能)。

  • EN 18235-2 — Part 2: 信頼性に関する要件。公式な調査中。M/614 の期限: 2026年11月1日

  • EN 18235-3 — Part 3: 相互運用性に関する要件。公式な調査段階が開始。M/614 の期限: 2027年5月1日

これは、分野横断的なアプローチで、信頼されるデータ取引に関する規範の基盤を正式なものにする、初の欧州イニシアチブです。標準化に向けた事前作業は、欧州委員会の正式な標準化リクエストを 2 年以上前倒しして実施されたため、迅速な組み込みが可能となり、データ法の適用日 (2025年9月12日) 以降、データスペースの参加者に運用基盤を提供することができました。 

特定の技術に依存しない基準として、EN 18235 は規制に沿った基準を提供し、Gaia-X、IDSA、DSSC などの既存の多様な技術的エコシステムが、単一技術の実装を強いられることなく、相互運用できるようにします。欧州整合規格は M/614 の下で策定されたため、EN 18235 シリーズはデータ法第 33 条の相互運用性要件、より直接的には、Part 1 と Part 2 で確立されたターミノロジーと信頼性のフレームワークを構築する Part 3 (相互運用性要件) を通じ、適合性を推測できるように設計されています。

Dive into the details of Trusted Data Transaction

EU 金融データアクセス規制 (FIDA) への準拠を促進

2023年6月に提案された金融データアクセス (FIDA) 規制 (COM/2023/360) は、オープンバンキングの原則を金融サービスのすべての領域 (投資、貯蓄、年金、住宅ローン、保険およびクレジットデータ) に拡大します。この規制では、金融データ共有スキーム (FDSS) を通じて管理される、標準化された API を通じて、顧客の同意のもと、認可されたサードパーティーが顧客データを利用できるようにすることを金融機関に求めています。現在、欧州議会、欧州理事会、欧州委員会の3者間で交渉が進められており、2026年の制定、およびその後数年にわたる適用フェーズが予想されています。

FIDA の中核を占める組織 (FDSS オペレーター、オープンファイナンスプラットフォームのプロバイダー、金融データ仲介者) は、規制に準拠したマルチパーティの金融データエコシステムをオーケストレーションするため、堅固な技術インフラストラクチャを必要としています。 

Dawex データ取引ソリューションは、FIDA が義務付けるスキームガバナンス構造のもとで、これらのオペレーターがデータ取引を管理し、データ所有者とデータ利用者をオンボーディングし、アクセス権と同意フレームワークを管理できるようにします。

欧州ヘルスデータスペース (EHDS) への準拠を促進

2025年3月26日に施行された欧州ヘルスデータスペース規制 (規制 (EU) 2025/327) は、EU 初の業界固有のデータスペースを規定しています。この規制では、一次利用として、個人が治療を受けるために国境を越えて自身のヘルスデータにアクセス・共有できるようにするため、また二次利用として、研究者・企業・政策決定者がイノベーション、AI 関連の開発、公衆衛生の目的で電子ヘルスデータを再利用できるようにするためのフレームワークを確立します。ヘルスデータ所有者の主な義務は2027年3月から段階的に適用され、二次利用の大半の条項は2029年3月から適用されます。

ヘルスデータの所有者、プラットフォームオペレーター、HDAB 関連サービスを構築する組織は、厳格な同意のもとで、目的を限定し、トレーサビリティ要件を満たしながら、複数のステークホルダーが関わる複雑なヘルスデータのフローを管理できるテクノロジーを必要としています。

Dawex データ取引テクノロジーは、これらのオペレーターがヘルスデータ製品カタログを構築し、一次利用・二次利用のカテゴリー全体で役割に基づいたデータアクセスを適用すると同時に、エンドツーエンドの監査性を確保し、最終的には EHDS データ許可条件と AI 法の透明性に関する義務の両方をサポートできるようにします。

建設製品規制およびデジタル製品パスポート義務への準拠を促進

2025年1月に施行された改定建設製品規制 (規制 (EU) 2024/3110) は、建設製品でのデジタル製品パスポート (DPP) の義務化を導入しています。DPP は、資材の成分、環境パフォーマンス、ライフサイクルデータおよびコンプライアンス文書をカバーする、構造化されたデジタル記録です。建設製品の DPP は、EU デジタルインフラストラクチャの構築後 (現状では 2028年~2029年見込み)、約 18か月で義務化されると想定されています。

これらの義務を満たすには、メーカー、輸入業者、建設業界プラットフォームオペレーターは、製品関連のデータを複雑なマルチパーティのバリューチェーンで管理・配布する必要があります。 

Dawex データ取引ソリューションは、建設関連のステークホルダーが DPP データ製品を管理し、規制当局・購入者・リサイクル業者などの異なる関係者のデータアクセスをコントロールし、複数の組織にわたってデータ取引を連合すると同時に、各参加者のデータ主権を保持できるようにします。

ESPR におけるデータ製品パスポートのフレームワークへの準拠を促進

2024年7月に施行された、持続可能な製品のためのエコデザイン規制 (ESPR、規制 (EU) 2024/1781)は、EU 市場に流通するほぼすべての製品カテゴリーでデジタル製品パスポートを導入します。バッテリーパスポートは、最初に確定された必須 DPP であり、EU バッテリー規制 (規制 (EU) 2023/1542) により、2027年2月18日から必要になります。繊維製品、家具、電子機器、鉄とアルミニウムなどの他の製品カテゴリーでは、2026年以降段階的に採用される委任法により、具体的な要件および準拠日が定められます。現段階では、バッテリー以外の製品では義務日程は確定されていません。

DPP は根本的にデータ取引であり、ガバナンス上の課題でもあります。なぜなら、世界的なサプライチェーン全体のメーカー、輸入業者、ディストリビューター、リサイクル業者は、役割ベースのアクセスコントロールのもと、一貫した識別子と完全な監査証跡を保ちながら、構造化された製品ライフサイクルデータを共有する必要があるからです。 

Dawex データ取引ソリューションは、DPP デジタルサービスプロバイダーと業界データスペースのオペレーターが、これらのマルチパーティのフローをオーケストレーションするために必要なインフラストラクチャです。公開データ、B2B 限定データ、サプライチェーンの機密データのために設計されたサービスへの階層化されたアクセスを管理することができ、各製品カテゴリーでのカスタム実装は必要ありません。

日本のスマートシティリファレンスアーキテクチャ、都市 OS との連携

都市 OS は、日本の内閣府が Society 5.0 フレームワークのもと2020年3月に公開した、日本のスマートシティリファレンスアーキテクチャです。都市 OS はスマートシティのサービス、アセット、および地域や分野をまたいだその他のシステムを連携する、データ取引インフラストラクチャを定義します。都市 OS は、中心となる 3 つの特長をもとに構築されます。その特長とは、相互運用性 (共通 API を経由した複数都市でのサービスフェデレーション)、データ取引 (組織や分野のサイロをまたいだ異種データの仲介)、および拡張性 (緩やかに連動したビルディングブロックアーキテクチャ) であり、これは欧州データスペースの設計および Gaia-X のトラストフレームワークの土台と同じアーキテクチャの原則を反映しています。

都市 OS は、アーキテクチャの基盤として欧州相互運用性フレームワーク (EIF)、オープン&アジャイルスマートシティ (OASC)、最小限の相互運用性メカニズム (MIM) (データ取引のカタログ管理、注文、ライセンス管理と収益管理を対象とするエコシステム取引 MIM を含む) を明確に参照しています。都市 OS のアーキテクチャ原則 (相互運用性、データ取引および拡張性) は、欧州データスペースの設計の基盤となる原則を反映しているため、都市 OS に連携したスマートシティエコシステム内でデータ取引サービスを構築する組織には、Dawex データ取引ソリューションが最適な選択肢になります。

セキュリティを常に優先

セキュリティと機密性は、Dawex にとって非常に重要です。Dawex ではテクノロジー、手段、プロセスを定期的に見直し、お客様に最大限のセキュリティをご提供するために継続的に監視および監査を実施しています。